梅毒

梅毒とは?

梅毒はスピロヘータ科の梅毒トレポーマという微生物によって全身に症状が出る感染症です。
主として性的接触または類似する行為により発症する、性感染症の代表的な疾患です。

一般に、皮膚や粘膜の小さな傷からトレポーマが侵入して感染し、やがて血行性に全身に散布されてさまざまな症状を引き起こします。患者数は1960年では約1万人(旧厚生省 伝染病統計)でしたが、50年後の2010年にば約600人に減少しています。

 

感染経路

  • 性器同士の接触
  • 膣性交
  • アナルセックス
  • オーラルセックス

*いずれもコンドームを使用することにより、リスクを低くできます。

 

梅毒の症状

梅毒の潜伏期間は3週間です。
4つの病期に分かれ、1期が最も感染性が強く、2期から4期に進むにつれて弱くなっていきます。
また、梅毒に感染していても症状の出ないことがあります。

  1. 1期(3週〜3ヶ月)性器、アナル、口
    ・0.3cm〜3cmの痛みや痒みがないできもの(初期硬結)ができる
    ・ 通常1個 だが、複数できることもある
    ・次第にできものの中央がえぐれていく(硬性下疳)
    ・約1ヶ月で自然に消える
    ・足の付け根や首のリンパ節が腫れる

    1期の硬性下疳↑
  2. 2期 (3ヶ月〜3年)手のひら・足の裏、体
    ・手のひら・足の裏、体に赤い発疹ができます(バラ疹)。
    ・発疹は半年以内にあとを残さず消えます。
    ・首やその周囲のリンパ節が腫れることもあります。
     
    2期のバラ疹(手のひらと足の裏)↑
  3. 3期(3年〜10年)
    ・体の中で、スピロヘータによる炎症が進行します。
  4. 4期(10年〜)
    ・脳や心臓に病変ができることがあります。

 

検査法と治療法

血液検査を行い、梅毒と診断された場合は、抗生物質を3〜4週間(病期によって異なる)内服します。
性交渉は治療が終わり、性器のできものや皮膚の発疹が完全に治ってから可能です。